葬儀の意味

葬儀の意味とは・・・

葬儀を行うことの意味

諸行無常 (しょぎょうむじょう)

仏教用語で、この世の現実存在はすべて、姿・形も本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう。

(この世のあらゆるものはすべて移ろい行く。の意)

涅槃経に「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅爲樂」とあり、これを諸行無常偈と呼ぶ。釈迦が前世における雪山童子であった時、この中の後半偈を聞く為に身を羅刹に捨てしなり。これより雪山偈とも言われる。

 又、平家一門の興亡を描いた『平家物語』の冒頭で
 『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す』

という一節に端的に表されているように、『諸行無常』はこの世の無常感、すなわち永遠に変化しないものはないこと、人の世の変わり易さを表現する際に用いられる言葉である。

生滅の法は苦であるとされているが、生滅するから苦なのではない。生滅する存在であるにもかかわらず、それを常住なものであると観るから苦が生じるのである。この点を忘れてはならないとするのが仏教の基本的立場である。

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』   はてなキーワード  より引用 

[類]有為転変 (ういてんぺん) =万物は常に移り変わる。の意

諸行無常にいわれる様に、生(形)あるものは必ず滅する。 』

ということは観念上判っていながらも、私たちは他者の死をつうじて間接的にしか死を体験できません。

人間は他者の死に直面して、やがて死が自分自身にも訪れる事を知りますが、いつどのような

形で訪れてくるのかは皆目見当がつきません。

死は直接追体験できないことから、人は他者の死を通して自分の死を見つめることになります。

死を考え、その意味を問うことは、そのまま自己の生を考えることに相違ありません。

1人の死を悼んで多くの人々が集まり営まれる葬儀は、集まる人々に命の大切さ、生あるものも

必ず死ぬべき存在であることを教えてくれます。

そこで人々は死が周囲の人々に悲嘆をもたらすほどの大きな事実であることに直面し、

体験的に生(いのち)の大切さを知り、死が決して終わりや無を意味することではない、

ということを学びとります。 学びとらなければいけないし、学びとってほしい、そのような式を考えなければいけない。)

人は死の恐怖を考えた時に、生きることを見つめ直せる、生への刺激となります。

 

宗教信仰とは、人が死と生とを、表裏の関係で主体的に考えることから、導き出されるのであり、

人の死は単に個人の現象にとどまらず、社会的・文化的な意味が担われてきたのだといえます。

人間は、生物的な存在であるだけではなく、社会的な存在としてもこの世界に生きています。

つまり人間は、その人を知っている多くの人々の、心の中にも生きている。ということであるならば、

ひとり肉体の死をもって、ある人の全的な死・消滅とはみなせないのです。

こうして、生を意味付けるためにも、死を超えるさまざまな観念体系(霊魂観、他界観を含めた

死生観)が作り上げられ、それが具現的に行為化されたものが死者に対する儀礼、いわゆる

葬儀・追善供養だと考えることができます。

当該民族がもつ死生観が、葬儀式に凝集されているが故に、葬儀を問うことは人の生きざま死にざま宗教的意味だけでなく、その文化的・社会的意味を問うことにもなるといえます。

ライン

葬儀の役割

1、物理的役割(遺体の処理)

ご遺体の処理(土葬・火葬など)

遺体は、生命を失うことにより腐敗が始まりますから、死者の尊厳を守るためにも、衛生面でも、遺体を土に埋めたり、火葬処理をする必要があります。死者との訣別とは、見える形では遺体との別れです。したがって遺体を処理することは人との訣別に関わることですから、単なる物理的処理とは異なります。


2、社会的役割(社会的な処理)

死を社会的(戸籍・各種手続き、町内・会社関係等)

に受け入れ、告知、確認する。

人は社会的に生きている存在ですから、社会がその死を処理する必要があります。社会にその人の死を通知したり、社会の人々が集まってその死を確認したり、現代で言えば死亡届を役所に出し、戸籍から抹消すると共に、相続などの手続きが必要になります。


3、心理的役割(悲嘆の処理)

悲しみにある人々の心に寄り添い、慰め、その悲しみを治療する。

(グリーフケア・グリーフワーク)

人の死は周囲の方々に衝撃、悲しみ、心の痛みをもたらします。死の事実を受け入れられないこともしばしばです。したがって周囲の人がその死を受け入れるには、しばしば長い時間を要し、葛藤を伴います。臨終の際の作法から通夜・葬儀を経てその後の喪に至るまで、長い時間をかけて行われる葬儀のさまざまなステージ(段階・場面)はこの心のプロセスに沿うものでもあるのです。特に死者と精神的な関係が密であった配偶者や家族には、身を切り裂くような深刻な心の痛みを生じさせます。これは病気ではなく、人間として自然なことです。この死別の悲しみ、痛み(英語ではグリーフ)は容易には解決せず、その癒しにはしばしば長い時間が必要です。

又、死別の悲嘆は抑制したり、逃げ去ることではなく、表出することによって癒されていきます。悲嘆の表出を避けたり、あるいは妨げたりしてうまく表出できなかったりすると、体調を崩したり、精神的な疾患を引き起こすこともあります。この悲しみにある人々に対しては、心に寄り添うことが必要になります。


4、文化・宗教的役割(霊の処理)

死者の霊を慰め、この世からあの世へ送り出す。あの世での幸せを祈る。

人が死ぬことにより、生きているこの世では、その人と遺された者との関係が閉ざされます。したがって、亡くなった人の霊を「この世」(現世・此岸)から「あの世」(来世・彼岸)に送り出してあげる必要が出てきます。私たちは死者の霊を慰め、あの世での幸せを祈ると同時に、死者と遺された者との間に新たな関係を作り上げることを迫られます。これはこの世の営みを超えるものであるため、しばしば宗教的な儀礼を必要とします。これが葬儀式の中心をなすものです。


5、社会心理的役割(さまざまな感情の処理)

命の大切さ、生あるものは必ず死ぬべき存在であることを知らしめる。

死霊の祟り・恐怖感を和らげるための儀礼

※冠婚葬祭 = 親戚の絆をつなぐ大切な行事、イベント。次世代の紹介を兼ねる儀式の役割もある。


参考文献
「葬儀概論」 碑文谷 創 著(表現文化社)
「葬儀大事典」 藤井正雄 監修(鎌倉新書)


 

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